ABOUT 官邸について

官邸の歴史

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1900-1920年「台南県知事官邸」及び多用途な使用時期

設立当初は首長の官邸として「台南県知事官邸」が計画され、当時の知事は今井良一でした。 1901年11月の廃県置庁後、台南庁の首長官邸はここから近くの「台南庁長官邸」に移されました。この時期、旧知事官邸の建設は台南庁が管理をしており、「日本建築(和館)」の一部はかつて陸軍に貸与されていたことより「旅団長官邸」として使用され、洋館部分は「台南庁職員読書倶楽部」等となっていましたが、主な名称と位置付けは、総督が台南を訪れたときの「総督の台南官邸」と日本の皇族が台南を訪れたときの「御泊所(臨時の宿泊施設)」とされていました。この時期から、総督官邸と皇族の宿泊施設の両方の機能を兼ね備えていたため、日本の閑院宮載仁親王ご夫妻等が台南に訪れた時はすべてここで宿泊されました。

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1920-1945年 「台南州知事官邸」時期

1920年に州が設置され、末代の台南庁長である枝徳二が初代台南州知事となりました。そこで台南州の首長官邸は再度知事官邸として建設され、名称を「台南州知事官邸」と変更し、この時期から歴代州知事が15代にわたりここに居住しました。この段階では総督官邸と皇族の宿泊施設の両方の機能を兼ね備えていたため、日本の東宮太子裕仁等皇族が台南を訪れた時はすべてここに宿泊されました。日中戦争の勃発(1937)と日本の第二次世界大戦(1941)への参入とともに、台湾も戦時状態に入りました。知事官邸は空襲に備えるため和館の南東側に官邸を増築して防空壕とし、表面を岩で覆うなどの偽装を施しました。幸いなことに、戦時中この官邸は爆撃被害や損傷を受けることはありませんでした。

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1945-2000年 第二次世界大戦後の公的機関による独占使用時期

第二次世界大戦後、政府機関が次々と台湾へ撤退し、この建物(洋館部分)は当初台鹽管理局に使用されていました。これらの部門は台湾鹽務管理局警務科又は台湾省塩務税警察総隊が鹽務税警察の関連機構を所轄していた可能性があり、その後約1951年に塩務税警察が転出後、市民防衛指揮本部、土地管理事務所、東区区役所、軍事公務教育福祉センター、台南市政府職員消費者協同組合などの組織が相次いで入居したため、この時期この建物は多数の機関により共用されていましたが、最終的に洋館全体は軍事公務教育福祉センターとして使用されました。また1998年に市定古跡に指定されました。

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2000-2020年 古跡修復後の活性化利用

旧台南知事官邸が台南市市定古跡となった後、台南市政府文化局は10年間の修復期間を経て、2010年より運営管理を外注に委託し始めました。 2011年10月8日に、財団法人台湾芸術家合奏団文化基金会が「知事官邸・音楽会館」というレストランとカフェをオープンし、2015年2月8日には、高青開發股份有限公司が「知事官邸」という名称で、1900食光レストラン、知事サロン、官邸時光等オープンしました。そして 2020年10月10日に、安提阿設計有限公司が「知事官邸生活館」という名称で、展示会、講座、インテリア用品、飲食店、バー等の営業を展開します。

年表

  • 1895s-1920s 日治初期

    • 1895

      日治初期 下関条約による割譲後、台湾は日本統治時代へ入る
    • 1900.04.21

      日治初期 棟札の上棟
    • 1900.11

      日治初期 「台南県知事官邸」の建設完成。
    • 1900

      日治初期 妻側上方に第一代バロック様式の半円形アーチを建築、現地の人から「時鐘楼」と呼ばれる。
    • 1916

      日治初期 妻側上方に第二代バロック様式の半円形アーチを建築。
    • 1920

      日治初期 「州知事官邸」として使用される。
  • 1920s-1945s 日治後期

    • 1923.04.20

      日治後期 日本の皇太子「裕仁天皇」が宿泊。
    • 1931

      日治後期 官邸前で台南官田日本軍による記念撮影。第二霧社事件時期の撮影。
    • 1936後

      日治後期 妻側上方に第三代ペディメントを建築
    • 1936~1945

      日治後期 第二次世界大戦・太平洋戦争
  • 1945s-2000s 機関による使用

    • 1971

      機関による使用 東区区役所及び市民防衛指揮本部用として使用される。
    • 1988

      機関による使用 市定古跡に指定される。
  • 2000s-2020s 空間の活性化

    • 2001

      空間の活性化 台南市市定古墳・旧台南州知事官邸の環境景観再建築計画
    • 2003

      空間の活性化 市定古墳・旧台南州知事官邸の修復工事計画の設計監督
    • 2005

      空間の活性化 市定古墳・旧台南県知事官邸の第一期工事
    • 2008

      空間の活性化 市定古墳・旧台南県知事官邸の第二期工事
    • 2011~2014

      空間の活性化 財団法人台湾芸術家合奏団文化基金会による運営管理
    • 2014~2019

      空間の活性化 高青開發股份有限公司による運営管理
    • 2020~2025

      空間の活性化 安提阿設計有限公司による運営管理

4つの見どころ

  • 美しい和洋折衷建築

    美しい和洋折衷建築

    知事官邸は2階建建築で、イギリスが東南アジアの植民地でよく用いていた典型的な建築手法を採用し、四方をアーケードで結び、中間と両側は八角形を形成しています。

  • 古跡の木造工芸

    古跡の木造工芸

    室内の木造階段の手すり部分には精巧な彫刻が施され、木製のカーテンボックスは特殊で、非常に珍しいものとされています。

  • 夜のシャイニング官邸

    夜のシャイニング官邸

    毎晩18時から24時までライトアップします。百年歴史の建物が夜で輝いています。

  • 時鐘楼の再現

    時鐘楼の再現

    官邸の外には知事官邸の看板を設置し、初代切妻を復元して元の時計型を再現し、当時の時鐘楼の風貌を彷彿させています。